上野公園及びその周辺地域(谷根千、本郷、湯島、秋葉原、神田、御徒町等)における江戸東京の豊かな歴史性と多様性を持った文化資源の発掘・保全・活用を推進するため、上野公園の主に夜間利活用の促進、および、将来的に上野公園の公園管理組織(PMO)設置に向けた推進力となりうる連携組織「上野ナイトパークコンソーシアム」を2020年8月に設立し、TOKYObetaは設立メンバーおよび事務局運営として関わっています。
2019年度は「2019年度日本博イベント」による文化庁の助成金を、2020年度は文化庁による令和2年度博物館・文化財等におけるナイトタイム充実支援事業を受け、活動を推進してきました。
あわせて、上野ナイトパークコンソーシアムのウェブサイトを開設。今後、同コンソーシアムの情報発信や上野に関連する情報発信、および観光基盤推進のための様々な活動を行っていきます。
▼上野ナイトパークコンソーシアムのウェブサイトはこちら
https://uenonightpark.com/
以下、設立時の活動方針内容です。
■設立の基本コンセプト
上野公園×文化資源×まちづくり×新しいナイトライフ
■設立形態
設立目的に賛同する独立した組織(企業、団体等)による緩やかな協議体(事務局:東京文化資源会議)。
■取組の基本方針
(1)夜間事業運営の指定管理者をめざす
公園管理組織(PMO)の設置には法規制定を含めて時間を要するため、現在の昼間の公園管理及び各施設による事業運営に障らない、夜間における上野公園の一括運用を担う指定管理者への指名をめざした活動を積み重ねていく。
(2)コンソーシアムを設立する
将来の指定管理者として機能するために、広範にわたる業務から成る公園活用・施設運営を担うに足る各分野の専門事業者・専門職団体等から成るコンソーシアムを形成する。
(3)文化資源を活用した新しい社会・生活スタイルを提案する
現状の上野公園内の活動をそのまま延長するのではなく、オンラインミュージアムの可能性追求や不忍池を含む公園歴史資源の活用、男性中心の接待文化・会社文化とは異なるナイトライフ「夜市」の提案、湯島など周辺地域との連携など、上野公園から日本の新しい社会・生活スタイルを提案する。
(4)異なる文化資源を結び付ける
公園、水辺、歴史的建築、美術館、動物園、寄席、映画、多様な飲食店など、上野に揃う多種多彩な文化資源を組み合わせて、家族や友人と一緒に楽しめる複合プログラムを提案する。そのため、1スポットあたりの時間ユニットを短縮し、標準1時間の演劇やコンサートの上演、街路でのスタンド飲食などの新しい文化スタイルの普及を図る。
(5)上野及び近接地域の歴史と伝統を重視する
江戸時代以来蓄積・発展してきた文化資源の価値の再発見・再創造に結びつくプログラムを開発し、特色ある地域性をアピールする。上野公園では、寛永寺の歴史と伝統を再認識できるよう、同寺との協力関係を重視する。
(6)上野駅の効用に再注目する
かつての東日本の玄関口であった上野駅が、今や東京駅や品川駅の話題性に比べて地味であることは否めない。しかしテレワークやオンライン授業の普及により、週日は地方に住んでオンラインで仕事や勉学に励み、週末は東京でショッピングやイベントを楽しむ、東京と地方を一人で住み分ける生活スタイルの選択が可能になっている。上野駅は新幹線停車駅としてそのハブとなるだけでなく、そこだけで様々な文化的体験ができる有利な立地である。また成田駅からも一直線であり、今後回復が期待されるインバウンド観光客の受け皿ともなる。それが上野ナイトパーク構想で提示された「アライヴァルシティ上野」の内実となるだろう。
(7)デジタルサービスを強化する
美術館・博物館のコンテンツデジタル化とそれに基づくサービスが海外に比べてかなり見劣りすることがコロナ禍の下で明白になった。上野公園内の諸サービスにおいてデジタル化対応はまだ緒についたばかりであり、ミュージアム所蔵品のデジタル化促進と教育等における活用、様々なICTがその長所を発揮できるような文化プログラムの開発と施設を横断したチケッティング・オンライン予約、ヴァーチャルナイトツアーなど、デジタル技術によるクラウドコントロールを行なっていく。
■当面のコンソーシアム構成団体
構成団体・会社は以下の10団体であるが、今後この設立趣旨にご賛同いただける企業、団体等の参加を歓迎する。(2020年8月10日現在)
・東京文化資源会議(事務局)
・朝日信用金庫
・合同会社quod
・株式会社JTB
・株式会社大丸松坂屋百貨店
・株式会社竹中工務店
・株式会社丹青社
・株式会社電通
・株式会社トーキョーベータ
・野村不動産株式会社