11月17日から3日間開催される日本財団主催のソーシャルイノベーションフォーラム2017 の分科会の一つを企画しました。
▼ソーシャルイノベーションフォーラムとは?
https://www.social-innovation.jp/
昨今、「稼ぐ公園」やパークマネジメントなど、都市経営の視点から公園を積極的に活用しようという取り組みが増えてきました。一方、公園という考えそのものは、もっと私たちの生活に寄り添ったものとして、公益性や社会性を帯びたものとして存在しています。
公園も、ただそこに存在するのではなく、なんのためにそこにあるのか。公園に対して、私たちがかかわれる余白はどこにあるのか。さまざまなことが考えられます。
そうしたことを受け、今回のセッションではテーマを「ひらく公園」とし、次世代の公園について参加者と一緒に考える2時間のセッションにしました。
▼分科会「ひらく公園 パブリックエリアマネジメントでできること」
https://www.social-innovation.jp/forum/schedule/program/?p=c3
登壇者に『ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる』の著者などで知られる 山崎満広さん、エリアマネジメントに関する豊富な知見をお持ちの 保井美樹さん、創業100年のパブリックスペースの空間づくりに取り組んできたコトブキ代表の深澤幸郎さんをお呼びしています。当日は、グラフィックモデレーターに、東海大学の富田誠さんをお呼びして、RealTime Boardを使ってプレゼン内容をリアルタイムにまとめつつ、後半では参加者とともにワークショップを行いながら、参加者それぞれがどう「公園化」について捉え、公園にかかわることができるかについて考えていきました。
▲RealTime Boardの様子はこちらから
http://tomita.me/park/
登壇者による一方的な発話にせず、参加者からの主体的な参加と議論を引き起こすためのデザイン思想をもとに、中盤からは参加者に対して2つの設問を用意し、近くの参加者らと意見交換をする場を設けました。
1.自分が住んでいる場所や、所属先のスペースをどのように公園化できますか?
2.あなたやあなたの所属している組織が、今ある公園にできることはどんなことですか?
1つ目の質問は、登壇者の話をもとに、多様な公園のあり方を感じ取ったことを受け、ある種の理想像として、自分の場所や会社などのスペースを「公園化」するイメージを共有。「公園」という概念を広げ、可能性を感じ取ったのち、2つ目の質問である、現在今ある公園に対してできることはなにか、という具体的なアクションへと結びつけ、明日からできる自分ごととしてアクションを考えてもらう場としました。
一方的な情報提供ではなく、あえて交流重視、発話、議論を促すような場にしたことで、分科会というある種の参加型のカンファレンスのあり方について追求することができました。また、後半には登壇者も参加者の輪の中に入り、一緒になって議論する場を作ったことで、「登壇者」と「参加者」という二項対立を越え、会場全体が同じテーマを共有し、議論する連帯感も生まれました。こうしたファシリテーションデザインの一つひとつが、あらゆる社会的課題に対して意識を向け、他者と共有することができると考えています。
Partner:日本財団
Director:江口晋太朗(TOKYObeta Ltd.)
Speakers:保井美樹(法政大学)、山崎満広(Ziba Design)、深澤幸郎(株式会社コトブキ)
Recording Design:富田誠(東海大学)
Cooperation:株式会社コトブキ