NPO法人トッピングイーストが2021年の春と夏に実施した「隅田川怒涛」と、インタビュー企画「隅田川自治β」の、2つのプロジェクトをまとめた冊子『往古来今 隅田川怒涛のこれまでとこれから』を作成しました。
「隅田川怒涛」は、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、芸術文化都市東京の魅力を伝える文化プログラムの一環として、東京都および公益財団東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京主催でTokyo Tokyo FESTIVALの企画公募が行われ、採択された企画の1つです。2018年から準備を重ね、2020年に本番実施を準備していたものの、新型コロナウィルスの流行に伴い開催延期や企画内容の大幅な変更を余儀なくされるなど、計画から4年近い準備をかけて開催されたものです。
そうした、開催までの経緯や苦労も冊子には盛り込みながら、そこで生まれた新たな芸術文化の種、新型コロナウィルス以降の社会を生きる私たちが、これから考えるべきことについて問う内容に仕上がっています。
冊子の前半では、「隅田川怒涛」の実施に至るまでの振り返りや、イベント当日のレポートを写真をふんだんに交えて掲載しています。後半の「隅田川自治β」では、「隅田川怒涛」の実施を通して見えてきた隅田川流域でのこれからの自治の可能性について、さまざまな分野の有識者と対話する会を設け、その内容をレポートしています。そして最後に、今後の隅田川流域での取り組みについて少しだけ触れています。
本冊子はアナログレコードジャケット仕様になっています。レコードは入っていませんが、これまでの怒涛な日々の記憶が懐しく蘇り、またこれからの未来の足音が聴こえて来ますように!という気持ちで作成されており、アナログレコードジャケットという大判なサイズに、「隅田川怒涛」を振り返る写真やテキストを盛り込んだ充実の内容になっています。
▼目次ご紹介
・「ひとつひとつの流れ」稲葉俊郎
・「浜離宮アンビエント」より「私は思い描く」大崎清夏
・「ことばの渡し」より「不死身プリン」宮尾節子
・「隅田川怒涛」春会期レポート(CINRAより)有太マン
・「隅田川怒涛」夏会期レポート(CINRAより)杉原環樹
・「water state 1」坂本龍一、高谷史郎 コメント
・「隅田川のたもとで「自治」に思いを巡らす」清宮陵一
・「生きる意味を育み、働くことの意味を再獲得する」今井紀明、西村佳哲
・「子どもの選択肢を広げ、自身で選び取る環境を」会田大也、臼井隆志
・「移民問題、それは人間同士の共生を考えること」コムアイ、望月優大
・「アクセシビリティは、後付けではなく前提条件から問い直す」市川浩明、山上庄子
・「文化・芸術は、地域のあらゆる領域とつながる触媒となる」野村政之、森山幸治、山出淳也
・「雨、それは命を育み文化を育む、水循環の源」村瀬誠
・「人間の即興性から地域自治を見渡してみる」細田成嗣、若林恵
・「過去と未来、現在が巡る装置としての盆踊り」岸野雄一、弓指寛治、松本紹圭
ほか
■「隅田川怒涛」とは
隅田川の南北約10kmをひとつの舞台と見立てた、音楽とアートのフェスティバル。
日本を代表するアーティストが、音楽、パフォーマンス、インスタレーションなどを「春」と「夏」の2回にわたって展開。約200年前の江戸の華やぎを想い、この地の永い歴史に尊敬の念を込め、芸術表現活動を通じて、人々が怒涛のように混ざり合っていく姿を描くプロジェクトです。
https://dotou.tokyo
▼Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13 『隅田川怒涛』
クレジット
主催:東京都、公益財団東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京
企画・運営:NPO法人トッピングイースト
後援:中央区、台東区、墨田区、江東区、北区、荒川区、足立区、公益財団法人東京都公園協会
その他クレジットは公式サイトをご覧ください。
https://dotou.tokyo/
■「隅田川自治β」ダイアローグとは
トッピングイーストが企画・運営を担当し、 2021年の春と夏に実施した「隅田川怒涛」。 隅田川流域の地域リサーチや事前リハーサルなどのプロセスを通じて、 関わってくれた人々のコロナ禍の苦悩を実感する場面に数多く遭遇 しました。
このような状況の中で、表現は、芸術は、 この災厄を乗り越えるためにとても大事な役割を担うのではないか。そんな、漠然とはしているものの確信を持った想いを携えて、 多分野で活躍する17名の方々との対話を収めたのが、この「 隅田川自治β 」ダイアローグです。
http://www.toppingeast.com/project/2108/
■冊子概要
名称:「隅田川怒涛」アーカイヴ&隅田川の未来を考える冊子『往古来今』
サイズ:312mm × 314mm × 3mm
ページ数:60ページ フルカラー
■冊子制作クレジット
パートナー(発行元):NPO法人トッピングイースト
編集:江口晋太朗(株式会社トーキョーベータ)
デザイン:artless Inc. & ahd osaka
発行:2022年5月1日